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あかつき 事件簿

学園長の 身辺報告や雑感を 週刊誌風にまとめたものです

今週のスクラップ・ブック 11/25

先週は、
親父の絵とアトリエ再現の展示会が、塩竃であって、その準備やスピーチで、忙しくしてました。

絵の展示だけですと、絵の配置を指示するだけで、後は仕事としては、感謝と作品解説のスピーチだけなのですが、「アトリエ再現」となると、現場をしらない余人には任せられないので、手間がかかりました。
会場は、塩竃神社東参道の入り口付近の旧・亀井邸です。
大正建築のレトロなたたずまいで、親父のランプ・コレクションが、ネライ通り良く似合ってくれました。

特に風景画は、塩竃や松島の、夏なお冷たいみちのくの光が描ける親父でしたので、塩竃の昭和を再現できて、良かったです。
こう書くと、ただ古いモノだけを並べた博物館に思えるでしょうが、そこはマジメに描いた絵ですので、息子が言うのも変ですが、新しい観光資源としてのパワーを感じました。

もともと絵には、「気韻を描く」といって、描かれた対象の形だけを映すだけでなく、そのまわりの空気や湿度や温度や風といった、目に見えないモノが、どこまで描かれているかを、評価基準のひとつに日本人は持っていました。

その点では、もともと東京の山の手のお坊ちゃん育ちだった親父にとって、この港町・塩竃への疎開が、その画境にきわめて大きな影響を与えていたことが、今回、改めてみえてきました。

つまり、塩竃の街に100年近く溶け込んできた大正建築の亀井邸宅に、当然ですが、親父の塩竃を描いた絵が、ドンピシャリと、ハマッていたわけです。

会場には、わざわざワタシが描いた作品の帯をしめてお越しいただいたお客さんまで現れて、親子2代にわたってのファンには、改めて感謝した次第です。

先週の世間は、
田母神発言やら、ハワイのミサイル発射実験の失敗やら、「太郎 VS 一郎」のガキの喧嘩やら、いろいろあったようですが、われわれ田舎者は、政局ごときにウロウロしないで、地面に足をつけて生きるすべを学ばないと、「官僚への怨み妄想」とかで、わが身の位置を見失います。

1896年ギュスタープ・ル・ボンが『群集の心理』で描きだした、当時政治に進出しはじめた労働者階級もふくめた「大衆」の政治的特徴は、すでに100年たった今、現在の、mixiやYahooに見かける「ネトウヨ」たちの言動と、ほとんど変わりがありません。

例えば、
1 匿名状況に入ることで、社会的抑制が低下し、過激で、かつ攻撃性も増す。
2 同質性が高まるため、他人からの暗示をうけやすい。
3 情緒的な訴求が、論理的な示唆より単純であるために、受容されやすい。
4 情緒性が高まるために、論理性や抑制力を失い、批判や論理の場が少なくなる。
5 匿名性が高くなるため、責任感が分散し、無責任体制につながりやすい。

こうした特徴は、mixiやYahooやBlogといった、氾濫する大衆・落書き論壇の、特徴そのものともいえます。

で、そうした「大衆」を、ル・ボンは、「潜在意識や原始的欲求を、意識的な個性に置き換えている人々の、攻撃性が組織化されたもの」と考えました。

今回の厚生省元幹部と家族を殺傷した事件も、その数日前、奥田経団連会長が、
「マスコミは厚生省を叩きすぎる。CMを出さないことも考える」
と発言したことに、呼応したように、起こりました。
まさかとは思いますが、奥田発言がなかったら、あの奇妙な事件は起きなかったかもしれないとすら、一瞬、思ったくらいです。

一方、日本の首相の選定に派閥の論理が働いたのは、ある新聞記者のレポートによると、橋本竜太郎首相段階までだそうで、小選挙区制への移行にともない、最近では「次の首相にふさわしい人」との「世論調査」に、力点がおかれているとのこと。
ほんの2か月前まで、「国民的人気」などと、マンガしか読まない国家元首をもちあげながら、今では「漢字が読めない・空気も読めない・迷走してる」と、クサスことをメシの種にするマスコミと、そうした記事に脊髄反応するネット社会に代表される、新商品の市場調査よりも少ない、たかだか1000人のアンケート結果で、日本のカジは、危なっかしく右に左に傾いているわけです。

田母神前空幕長でさえ、Yahooの反応を自分の持論の後ろだてに利用したように、学校での体罰も、死刑も、この「世論」を根拠に、政府は頬カブリし続けてます。
このままだと、半年後の裁判員制度の導入にともない、日本は、「リンチ社会」に突入するかもしれません。

こうした事態を放置し続けて
アメリカからも自立できないままに、戦後体制を維持してきた、戦後のインテリたちの責任が、今また問われています。

この60年間、日本の指導層といわれる勝ち組・A層の大学教師は、学生に何を教えてきたのでしょうか?

実は、日本の「風土論」は、戦前は、国立公園の設定も含めて、愛国心の高揚に利用されてました。
戦争画が、戦争を賛美したように、風景画というのも、そうした国策の一端をにないました。
そして今、ワタシは、時代にふさわしい「風土論」を、模索しようと考えてます。

例えば、1929年の世界恐慌以来の恐慌と呼ばれる今回のアメリカ発の世界経済の混乱の中で、「未来の資本主義」のビジョンが、今いろいろ描かれ始めています。
「アメリカ・日本型の自由市場重視」のストレスが高い社会に対して、「ヨーロッパ型共同社会重視」の価値観の違いが、最近の国際金融会議でも浮き彫りになってます。

道州制導入にしても、地方自治の分権・独自性を築きあげるにしても、ここでも、日本のジャーナリズムの「ガラパゴス化」による、思想の貧困が透けて見えてきてます。
単純な比較は難しいですが、ヨーロッパの政治風土を遠目で見ていると、官僚の使い方や、「大衆社会」の「強さとモロさ」への、歴史的に積み上げた深い洞察が、ヨーロッパにはあるように思えます。

少なくとも、小泉独裁を許した「国民的熱狂」のようなマスコミ主導の現象は、ヨーロッパから見たら、「日本人の政治的未熟性」以外の、何者でもなかったでしょう。

18日、親父の展示会オープンの日
たまたまですが、中学時代からの親友の弁護士により、塩竃の町会長や民生員とかを対象とする高齢者虐待の実態キャンペーンがありました。
当然、ワタシは弁護士の応援に、彼の講演会に顔を出したのですが、やっと塩竃のヒトたちにも、ワタシが、どうゆうスタンスで生きているのかが、少し見えてきたようです。

しかしワタシは政治家ではなく、静かな友禅の模様師にすぎません。
ただ人権思想を、都会の流行モノに終わらせないためには、田舎からことを起こさなければ、意味はありません。

たかが人口5万人の町で、隣・近所の老人や子どもの虐待に目が向くことこそ、「田舎生活」の意義なはずです。
市場経済の進行と、格差の拡大のなかで、田舎経済が疲弊しているからといって、田舎の社会資本=人間関係 まで、みすみす壊される理由はないのですから。

もちろんワタシは、とりわけ力瘤を振いたてるつもりはありません。
ワタシは、故郷が、自分の育ちの悪さをむき出しにした、小泉時代のアメリカとの軍事同盟を演出した守屋前防衛庁次官のような、下品な政治思想に染まって汚れるのは、見たくないと思っているだけです。

実はこの前まで、市役所の役人幹部たちは、守屋前次官が故郷に帰るたびに、「郷土の誇りだった彼を囲む会」をしていたんだそうです。
で、今度は、急に、ワタシを「囲まれ」ても、ワタシはそんな大物じゃないですから、困ります(苦笑)
  1. 2008/11/25(火) 00:00:00|
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コメント

ネットで見る政治的な意見は日常で感じていることと違って過激なものが多いようです。匿名性に隠れて、言いたい放題のトイレの落書きのような感じを受けてきました。
私は政治は「お上にお任せ」という環境で育ち、最近になってやっと民主主義とは何かを考え始めました。
民主主義とは一人一人が成熟していなければ成立しない脆弱な制度です。ヨーロッパの成熟性を私は感じ取ることはできませんが、私たち日本人は民主主義をどう育て守っていくか、その担い手である自分たちはどうあるべきかを自覚する時期に来ているのかもしれません。

僕の親父は宮城県登米市出身で、石ノ森章太郎さんや大友克洋さんの大先輩だと豪語しています。職業は昔教師をしていました。
  1. URL |
  2. 2008/11/27(木) 19:27:18 |
  3. 銀河旋風児 #tj5EHbbQ
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元・学園長

Author: 元・学園長


ここを執筆する 元・学園長 ですが、還暦はとうにすぎているのに、最近、江戸 手描き友禅 の修行もはじめました。

ここの絵は、当時小学4年生の男の子が描いてくれた絵です。
下手な写真よりも、はるかに元・学園長の特徴をつかんだ、観察力と表現力なので、今でも大切にしています。

はじめての方は、引越しソバ代わりのおみやげもありますので、下記をご覧ください。
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